咳に良いハーブ

 咳をするのは、気道を遮るものに対する体の自然な反応です。それは埃や排気ガス、あるいは感染症による粘液かもしれません。 また、咳は深刻な病気の徴候である場合もありますから、咳が2、3日以上続いたり、明らかな原因がないときは、専門医の診断を受ける必要があります。  西洋のハーブ治療では、咳には様々な治療薬が利用され、痰の生成を促すものもあれば、咳を抑えるものもあります。これらはしばしば、感染症と闘うた めに抗菌薬と組み合わせたり、肺を強化するのを助けるために強壮効果のあるハープと組み合わせて処方されます。
ハーブの種類利用部位薬味薬理作用
マンダリン(陳皮)辛、苦坑喘息、坑炎症、消化促進、去痰、循環促進、肝臓、胆嚢
ハーブの種類利用部位薬味薬理作用
カンゾウ(リコリス)肺を潤し咳を鎮める。抗菌、坑炎症、坑アレルギー、胆汁排出促進。
カンゾウ(リコリス)

甘草〈Licorice root〉甘草は世界で最も広く使われているハーブであろう。水溶抽出された甘草は西洋諸国では食品 (特に甘草飴)とタバコの香料とし て使われている。多くの漢方処方では甘草を、主成分となるハーブの優れた効果を引き出 したり、好ましくない効果を緩和する補助剤として使用している。


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ハーブの種類利用部位薬味薬理作用
ヤナギハッカ(ヒソップ)辛、苦去痰、気管支炎、咳、発汗、末梢血管拡張、坑カタル、局所的炎症、坑ウイルス
ヤナギハッカ

各種ハッカと同じように、ヤナギハッカは苦味の消化強壮薬で料理にも使用されますが、薬草としては主に上部呼吸器系に利用します。 感染症、気管支炎、咳、発熱をともなう悪寒には理想的でしょう。陽を強化し活気づけるのを助け、西洋のハーブ治療者の中にはその薬理作用を桔梗(p.43)と 比較する者もいます。消化薬としては、腸内のガスや瘤痛に有効で、子供に使用してもまったく安全です。 エッセンスオイルには緩やかな鎮静作用があり、リラックスのため風呂に加えてもいいでしょう。 使用上の注意:エッセンスオイルを大量に使用すると痙攣を引き起こすことがあります。

ハーブの種類利用部位薬味薬理作用
キキョウ(桔梗)辛、苦抗真菌、抗菌、血糖低下、コレステロール低下、喉の痛み、声枯れ
桔梗

桔梗は、中国医学では伝統的に肺気を循環させ、外部の風、寒、熱の問題に関連する過剰な痰を取り除くのに用いられます。 また、膿瘍から膿を取り除くのを助け、喉の痛みや声順れにも役立ちます。桑葉、菊花、薄荷、甘草と組み合わせて、桑菊飲と呼ばれる伝統的な 漢方薬に調合され、咳や風邪に処方されます。西洋では、桔梗は、しばしば感染症と関連づけられる多量の痰を伴う咳に処方される去痰薬に分類されるでしょう。 使用上の注意:結核の場合は使用を避けてください。

ハーブの種類利用部位薬味薬理作用
タイム地上部殺菌、去痰、鎮痙、抗菌、利尿、鎮咳、抗生物質、傷、局所発赤
桔梗

多くの料理用ハーブ同様、タイムは効果的な消化薬で、システムが栄養分のある食物を処理するのを助け、腸内のガスや腹の張りを減らしてくれます。 殺菌力が高く、去痰薬としても優れているため、痰を取り除いたり胸部感染症と闘うには理想的でしょう。伝統的に、タイムは湿あるい 痰の症状にとてもよく効く治療薬としで第3度の大温と 燥"に分類されました。エッセンスオイルは器官を刺激し元気づける効果があり、お風呂に入れてリラックスしたり、筋肉痛や懲りなどのマッサージに 使用してもいいでしょう。 使用上の注意:特になし。

ハーブの種類利用部位薬味薬理作用
オオグルマ根、花去痰、発汗、抗菌、抗真菌、鎮痙、花:神経刺激、抗菌、消化促進
ビルベアリングスパージ地上部去痰、胃炎、腸炎、消化性潰瘍、食道炎
ウスベニタチアオイ根、葉肺、胃、大腸、膀胱抗喘息、鎮痙、抗カタル、去痰
アカニレ樹皮の内側甘、淡胃炎、胸やけ、潰瘍、皮膚軟化剤、緩下剤、滋養、鎮咳
コンフリー根、葉肺、胃、嚢細胞増殖、収斂、保護剤、傷、去痰、打撲、ねんざ、骨折